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Field Science Education and Research Center, Kyoto University

facilityKyoto, Kyoto, Japan

Research output, citation impact, and the most-cited recent papers from Field Science Education and Research Center, Kyoto University (Japan). Aggregated across the NobleBlocks index of 300M+ scholarly works.

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Top-cited papers from Field Science Education and Research Center, Kyoto University

Comparison of reproductive traits of Japanese anchovy Engraulis japonicus among sea areas around Japan
MIKA SUHARA, Yasuo Mori, Yukio Mihara, Masayuki Yamamoto +4 more
2013· NIPPON SUISAN GAKKAISHI12doi:10.2331/suisan.79.813

日本周辺の 5 海域間でカタクチイワシの繁殖特性比較を行った。親潮域では 6, 7 月に限って体長 120 mm で体重 20 g を超える大型の雌が GSI>7.0 で約 18000 の成熟卵母細胞を持っていた。黒潮域ではほぼ周年にわたり成熟卵母細胞を持つ雌が出現した。春季には卵母細胞数が 4500 以上(体長>120 mm,GSI>5.0)であったのに対して秋季には 50 へと減少し,体長<60 mm の小型魚が産卵群の主体であった。このような海域差は本種の調節的な繁殖生態を表すと考えられた。

Effects of Forest Clearcut and Afforestation on Streamwater Chemistry in Japanese Cedar (Cryptomeria japonica) Forests: Comparison among Watersheds of Various Stand Ages.
Keitaro Fukushima, Naoko Tokuchi
2008· 日本林學會誌11doi:10.4005/jjfs.90.6

皆伐・再造林施業が渓流水質に与える影響を明らかにするため,奈良県十津川村の集水域単位で林齢が異なるスギ人工林の中の33集水域で渓流水質を通年観測した。渓流水のNO3- 濃度は1年生集水域で最も高く,9年生までに低下し13年生で87年生集水域の値に近づいた。各集水域の平均NO3- 濃度について林齢・面積・標高・勾配・斜面方位を要因とした重回帰分析の結果,林齢が濃度のおもな規定要因であった。また,林齢に対するNO3- 濃度パターンは先行降雨の多寡に依存していなかった。皆伐後のNO3- 濃度とスギの成長パターンから,植生回復が濃度低下に寄与することが示唆され,欧米の研究例と一致した。しかし,欧米に比べNO3- 濃度が皆伐前までの値に回復する期間が長く,下刈りによる下層植生回復の遅延や土壌水から渓流水までの浸透過程がその原因と考えられた。また,NO3- 濃度とともにカチオン濃度の上昇がみられたがAl濃度やpHは変化しなかった。以上から,皆伐後の硝化速度の上昇に起因する土壌酸性化は渓流に至るまでに緩衝されるが,窒素やカチオンの流出は皆伐・植栽後9年程度続くことが示された。

Stand structure of non-management Phyllostachys pubescens forest and dynamics for 3 years after improvement management in Mt. Tennozan
Yuhei Abe, Shozo Shibata
2009· Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology10doi:10.7211/jjsrt.35.57

管理が放棄されたモウソウチク林を適切に整備するための知見を得るため,京都府と大阪府の境に位置する天王山において,放置モウソウチク林の林分構造と整理伐後の動態を調査した。調査の結果,放置モウソウチク林の稈密度は約8,000本/ha,地上部現存量は217~224 t/haであることが明らかとなった。整理伐後は,当年生稈の発生数が増加するが,胸高直径と高さは小さくなることが明らかとなった。特に,整理伐によって当年生稈を伐採した場合,その後発生する稈の胸高直径と高さに与える影響は大きく,数年間続くことが示唆された。

Relationship between Biogeochemical Processes and Forest Management in Japanese Forest Ecosystems.
Hideaki Shibata, Hiroto Toda, Keitaro Fukushima, Yohichi Tanio +2 more
2009· 日本林學會誌9doi:10.4005/jjfs.91.408

日本の森林生態系における物質循環と森林施業の関わりについて, 既往研究をレビューした。これまで, 森林伐採が物質循環や水質形成に及ぼす影響については, 伐採後に樹木の養分吸収が低下することによって, 河川へ硝酸態窒素が溶脱することが示されてきた。一方, 北海道北部における伐採後の林床植生による窒素養分吸収や, 関東北部での火山灰土壌における硝酸吸着, 流域水文過程に伴う河川水質変化など, 日本における特色あるプロセスについて報告されている。また, 急傾斜地における森林施業の結果として斜面崩壊が生じることで, 流域生態系の水文・水質形成過程が影響されることも示唆された。さらに, 河畔緩衝域での窒素除去, 河川流路内での栄養塩スパイラル, 里山における森林管理と物質循環変化など, 生態系境界域での研究が重要であることが指摘されている。今後は, 地域ごとの特性を考慮に入るとともに, 施業影響下での物質循環モデルのパラメタリゼーションなどをさらに推し進めることが重要である。

Existence of a cryptic species of Montastraea valenciennesi (Milne Edwards and Haime, 1848) in Wakayama, southern Honshu, Japan
Hironobu Fukami, 野村 恵一
2009· Journal of the Japanese Coral Reef Society8doi:10.3755/jcrs.11.25

和歌山産のタカクキクメイシMontastraea valenciennesiには形態的2型が認められる。1つは,莢壁間の接合が弱く,群体を縦に割るとサンゴ個体ごとに筒状にバラバラと綺麗にはがれる型(莢壁分離型),他の1つは,莢壁間の接合が比較的強く,群体を縦に割ると個体間で分離せずに個体が割れる型(莢壁癒着型)である。この形態差は種内変異であるのか,種レベルの相違であるのかを判定するために,交配実験を行った。その結果,形態で分けられた2型は,接合子の和合性は極めて低く(受精率0.5%以下),型間には種レベルの相違があることが明らかになった。しかしながら,これらの2型に真のM. valenciennesiが含まれているのか,あるいはどちらもM. valenciennesiに酷似した別種(隠蔽種)であるのかという分類学的位置の決定までは行えなかった。

SPECIAL ISSUE ^|^ldquo; Protection and Restoration of Vegetation Damaged by Deer Grazing ^|^rdquo;
Keitaro Fukushima, Shota Sakaguchi, Inoue Mizuki, Daisuke Fujiki +4 more
2013· Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology8doi:10.7211/jjsrt.39.360

京都府北部に位置する冷温帯性天然林において,全体を防鹿柵で囲んだ集水域と隣接する柵外集水域で,柵設置2 年後に土壌窒素動態と渓流水の窒素濃度を比較した。各集水域の谷線と尾根線に40 m2 のコドラートからなるトランセクトを設定し,計339 コドラート内の土壌について,含水率,有機物層厚,アンモニア態・硝酸態窒素現存量,純無機化・硝化速度,炭素:窒素比を測定した。下層植生の回復した防鹿柵集水域では,尾根線で有機物層が厚く,下層植生によってリターや土壌の斜面移動が抑制されることが示唆された。また,硝酸態窒素現存量は,地形によらず防鹿柵集水域で低く,対照集水域で高かったのに対し,純硝化速度は集水域間で有意な違いが無く,どちらも谷線で尾根線より高かった。渓流水の硝酸態窒素濃度は,防鹿柵設置から2 年経過した時点から防鹿柵集水域で年々低下傾向を示した。以上から下層植生による窒素吸収は,集水域の窒素保持に重要であるといえる。また,シカによる下層植生の過採食は,土壌窒素動態を変え,森林生態系外への硝酸態窒素の流出を増加させる可能性が考えられる。

Cooperation of parties involved in the conservation of rice terraces in Kamiseya, Miyazu City
Mariko OHGISHI, Katsue FUKAMACHI, Hirokazu OKU, Iwao Miyoshi +1 more
2007· JOURNAL OF RURAL PLANNING ASSOCIATION7doi:10.2750/arp.26.263

This study's objective was to find ways to conserve rice terraces while revitalizing the area based on cooperation of all parties involved. In the studied area, residents affirmed favoring renting fields to outsiders. Furthermore, an NPO whose main objective was the conservation of satoyama (cultural landscape) organized rice farming events in the area to raise public interest. Visitors mentioned varied enthusiasm for such projects depending on the time needed and the easiness of access to the terraces. Revitalization of the area while conserving rice terraces could be possible based on cooperation benefiting all parties with the NPO at the center.

Weed Management Issues and Dynamics During Establishment of Phlox (Phlox subulata L.) Ground Cover Using Geotextile Mulch
T. Kaku, Misako Ito, Kanji Ito
2007· Journal of Weed Science and Technology6doi:10.3719/weed.52.57

防草シートを利用したグラウンドカバープランツ緑化工において重要な問題である植え穴からの発生雑草の防除法を確立する目的で,春植えと秋植えのシバザクラについて,植え穴発生雑草の特徴,雑草防除の必要時期・期間,除草方法を明らかにした。植え穴当たりの雑草の発生・生長は夏雑草では2本以内,冬雑草では3本以内と少数であったが,シバザクラに対する生長阻害は大きく,特に夏雑草では1本の発生でもシバザクラは著しく生長抑制されるか完全に枯死した。手取り除草により,異なる雑草防除期間がシバザクラ生長に及ぼす影響を調べたところ,植栽後1ヶ月間の防除が最も重要であり,特に春植えでは不可欠であることが明らかになった。一方,1シーズン通しての雑草(春植え:夏・冬雑草,秋植え:冬・夏雑草)防除によってシバザクラの生長が良好となることが判明した。また,除草時期とその効果がシバザクラの生長として顕在化する時期との間には,時間的なギャップがあることも分かった。植栽時の植え穴に対する除草剤や植え穴カバーによる雑草防除効果を比較したところ,雑草発生前土壌処理剤イソキサベン・トリフルラリンの60・270g a.i./10a以上の施用によって,春植えではその後発生する夏雑草の,秋植えでは1シーズンの完全な雑草防除が得られた。また,植え穴カバーは単独では効果が不完全であったが,イソキサベン・トリフルラリンの32・144g a.i./10a以上の施用との組み合わせで春・秋植えともに1シーズン無雑草状態を保つことができた。なお,植栽時期についてはシバザクラの生長特性と雑草の発生・生長特性の両観点からみて秋植えの方が望ましいことが分かった。

Relationship between the distribution of Pinus densiflora Sieb. et Zucc. seedlings, saplings, and juveniles and site conditions in a pine wilt disease forest
呉 初平, 安藤 信
2010· Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology5doi:10.7211/jjsrt.36.304

マツ枯れ被害林におけるアカマツ更新木の分布と立地環境の関係を検討した。調査地内に5m×5m の111 個のプロットを設置し,アカマツの当年生実生,実生(≧1 年,H<0.3 m),稚樹(0.3 m ≦ H<1.3 m),幼樹(H ≧ 1.3 m)の個体数を調査した。また立地環境の指標として,上木(H ≧ 1.3 m)の胸高断面積合計,母樹との距離,下層植生の被度,および林冠の開空度,A0 層の厚さと傾斜を測定した。その結果,いずれの生育段階においてもA0 層が薄く,下層植生が少ない立地環境下で,個体数が多かった。アカマツ実生が定着し,林分を形成していく段階では,下層植生との競争や上木による林冠の閉鎖が予測されることから,このような林分をアカマツ林に誘導するためには,各生育段階において上木や下層植生を管理し,アカマツ更新木の生育に適した環境を維持するための施業体系を確立する必要があると考えられた。

Estimation of the spatial distribution of a Sargassum bed in Kuruminose, Yamaguchi, Japan, using an acoustic method
Kenji Minami, Akira Hamano, Naoki Tojo, Takeshi Nakamura +2 more
2012· NIPPON SUISAN GAKKAISHI5doi:10.2331/suisan.78.171

山口県来留見ノ瀬のガラモ場は,周辺の沿岸生態系において重要であり分布の把握が求められている。本研究は,音響手法により同海域(12 km2)のガラモ場の分布推定を試みた。推定されたガラモ場は,来留見ノ瀬から北西および南南東の方向に分布し,総面積は 1.94 km2(高さ 0.50~2.24 m)であった。特に南南東の領域の内側は繁茂しており,沿岸生態系における重要性が高いと考えられた。本手法は分布推定の有効な手段であり,現存量の広域評価なども今後に期待できると考えられた。

Managing Sun-exposed Crowns to Produce High-quality Large Timber under Long-term Forest Management in the Yoshino Forestry Area.
E. Takahashi, M. Takeuchi
2007· 日本林學會誌4doi:10.4005/jjfs.89.107

長伐期林における陽樹冠管理のための定量的な基準を提示する目的で,吉野林業地の38~210年生の林分において,個体の陽樹冠量(陽樹冠直径,陽樹冠長,陽樹冠表面積)と年平均胸高直径成長量(ΔDBH)の関係を解析した。陽樹冠直径および陽樹冠表面積とΔDBHとの間には良好な回帰直線式が得られた。得られた式の信頼性および測定の簡便性等を検討した結果,特に陽樹冠直径(Dsc)が残存木選木の指標として有用であると結論できた。また,DscとΔDBHとの関係は林齢の増加にともなって変化しており,この結果は,単位陽樹冠量当たりの直径の成長効率が林齢に沿って変化することを示していた。したがって幅広い範囲の林齢や個体サイズを対象とする長伐期施業においては,林齢等の違いによるDscとΔDBHとの関係の変化を考慮することが重要であることが明らかとなった。さらに,DscとΔDBHの回帰直線式からΔDBHが0.25~0.54 cm/年(年輪幅が2 mm前後)となるDscの推定範囲を求めることができ,74~88%の精度でDscから年輪幅が2 mm前後であるか否かを判定できた。これらの結果から,これまで定性的に行われてきた残存木選木に対して,一定の精度を有する定量的な基準を林齢別に提示したといえる。

Effects of herbivorous mammals on aboveground and underground parts of Sasa nipponica
Yumi TERAI, Shozo Shibata, Teruaki Hino
2008· Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology4doi:10.7211/jjsrt.34.516

西日本最大級の自然林の一つである大台ケ原では,現在,高密度に生息するニホンジカの食害による森林衰退が報告されている。その自然再生の方向性を探るために,大台ケ原の主たる林相の一つであるブナ―ウラジロモミ―ミヤコザサ群落において,ニホンジカとネズミ類の有無を組み合わせた野外操作実験を3 年10 ヶ月間行い,両者がミヤコザサの地上部と地下部に与える影響を調査した。ニホンジカによる採食を受け続けたミヤコザサは地上部が矮小化し,現存量も小さかった反面,地下部現存量は大きく,地下茎は細長かった。結果として,ニホンジカによる採食を受けたミヤコザサは相対的に地下部への投資を増大し,地下部で広がることによりニホンジカによる採食に適応していることが示唆された。一方,ネズミ類によって地下部の採食を受けることにより,ミヤコザサの地下茎は節間が詰まっていた。シカ排除区では3 年10 ケ月間でミヤコザサ地上部の回復がみられたが,完全な回復までにはさらに期間を要することが示唆された。

Are the morphological variations of the living colonies of Acanthastrea hemprichii (Ehrenberg, 1834) in Wakayama Prefecture interor intraspecific variations?
Yuna Zayasu, Keiichi Nomura, Go Suzuki, Yoshihisa Shirayama +1 more
2009· Journal of the Japanese Coral Reef Society2doi:10.3755/jcrs.11.33

和歌山県沿岸域で出現頻度の高いヒラタオオトゲキクメイシには生時に3タイプの形態多型が認められた。これらの多型が種内変異であるのか,あるいは別種であるのかを明らかにするため,2008年7月26-27日に交配実験による生殖隔離の調査を行った。その結果,3タイプ間では産卵時間に違いは見られず,さらに平均で70%以上というタイプ内交配と同等の高い受精率が得られた。これらの結果とともに,タイプ間では骨格に明瞭な形態的相違が認められないことを合わせて考慮すると,生時に見られる3タイプの形態多型は種内変異であると結論した。

A method for predicting the required seedling density in seeding work
Hiroshi Yoshida, Junichi Imanishi, Shozo Shibata, Yukihiro MORIMOTO
2007· Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology2doi:10.7211/jjsrt.33.369

本研究は,斜面緑化における播種工の設計において,過去に行なわれた試験施工や施工事例などの結果を参考とした経験的判断で定められている発生期待本数(G:本/m2)を,導入種の密度変化の特徴を利用して科学的に推定する手法について検討を行った。施工後初期の調査頻度が高く,比較的長期間にわたる追跡調査が行われている暖温帯地域における 16 事例の調査データをもとに導入種の密度変化を回帰分析した結果,ベキ関数によく近似した。また,ピーク時密度(本/m2)を100とする密度相対値の変化は,実測値と同等以上の相関を示すことが確かめられ,発生期待本数を推定するための基本的な特性として有効と考えられた。各導入種のベキ関数から求められた最終調査時点(6~14 年後)の密度相対値には 1.1~35.3% と大きな開きが認められ,この理論式から求められる施工 5 年後,10 年後,および 20 年後の密度相対値(Drn:%)をもとにクラスター分析を行った結果,常緑広葉樹種をはじめとする植生遷移中後期種~極相種のうち重力散布種が該当すると考えられる区分(I),重力散布種以外の遷移中後期種~極相種が該当すると考えられる区分(II),および先駆樹種の多くが該当する区分(III),の 3 区分に分類された。そこで,各区分に分類された植物を総合した 3 つの密度減少曲線をもとに,設計段階で計画する初期緑化目標の達成時点である施工 n 年後に期待される導入種の密度(Dn:本/m2)からピーク時密度の推定値(Dep:本/m2)を求め,施工事例から得られた各植物のピーク時密度(Dop:本/m2)と設計時の発生期待本数(Gd:本/m2)との比で表わされる実務的補正係数(Kp)を考慮して発生期待本数(G:本/m2)を導く方法を提案した。

Effects of different ground treatments on the establishment and growth of Pinus densiflora seedlings on Daimonji-yama Mountain, Kyoto, Japan
Chuping Wu, Makoto Ando
2008· Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology2doi:10.7211/jjsrt.34.623

広葉樹の除伐と林床の落葉落枝(L層) を除去する作業が行われた京都市大文字山のマツ枯れ被害林において,1m2 の処理1 区(A0 層すべてを除去) ,処理2 区(A0 層除去後に50 cm 幅の2 段の水平階段造成) ,対照区の3 つの試験区からなる調査区を5 つ設置し,アカマツの播種試験を行った。その後,4 年間追跡調査を行い,実生の定着と成長に及ぼす地表処理の効果を検討した。その結果,2 年目までは処理区間では有意差がみられなかったが,2 つの処理区では対照区より実生の発生率,生残率,成長量がいずれも大きくTR 比が小さかった。これは,A0 層の除去によって根の鉱質土壌への到達が促進され,乾燥や菌による枯死率が低下するとともに,根系の発達が容易であったためと考えられた。一方,4 年目には対照区とシダ植物(ウラジロ) の旺盛な成長がみられた処理2 区では下層植生の回復が著しく,処理1 区と比較して実生の成長量が大幅に低下した。これは,繁茂した下層植生によって実生が被陰され,その成長が抑制されたためと考えられた。以上のことから,施業後4 年間の初期段階においてはA0 層の除去はアカマツ実生の更新を促進させるが,階段の造成は,下層植生の回復を促し,アカマツ実生の成長を抑制する可能性があることが示唆された。

Preparation and Distribution of Dwarf Bamboo Leaves in Kyoto City.
Yuhei Abe, Shozo Shibata, Hirokazu OKU, Katsue FUKAMACHI
2011· 日本林學會誌2doi:10.4005/jjfs.93.270

京都市では, 左京区の北部山間地域でササの葉が採集され, 京都市内で食品の包装や祇園祭厄除け粽の作成に利用されてきた。本研究では, ササの葉の採集・加工方法と流通・利用状況を明らかにするとともに, 最近まで京都市内でササの葉を生産し, 利用する体制が維持されてきた要因を明らかにすることを目的とした。調査の結果, 当地域の花脊別所町と大原百井町の集落周辺の里山で, 裏に毛のないササの当年生葉が採集され, 天日乾燥されていたことが明らかになった。また, 広葉樹の択伐といった里山管理がササの旺盛な生育につながっていた可能性が示唆された。このような地域の知恵や技術により, 品質の良いササの葉を生産し, 利用する体制が最近まで維持されてきたと考えられた。一方, 2004年から2007年にかけて京都市内のササが一斉開花・枯死した以降は, 他の産地のササの葉が利用されていた。また, ササの葉の生産に関して後継者も不足していることが明らかとなった。京都市において再びササの葉を生産し, 利用していくうえで, ササの葉の生産に必要な労働力を確保すること, ササの葉の生産に関する地域の知恵や技術を伝えていくことが重要であると考えられた。

Seed bank and seed rain of woody species in a Chamaecyparis obtusar dominated suburban secondary forest
Yuhei Abe, Shozo Shibata, Asami Nakanishi, Naoya Osawa
2005· Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology2doi:10.7211/jjsrt.31.3

ヒノキ林化した都市近郊二次林において,植生を転換する際に重要となる埋土種子集団の潜在性を把握するために,埋土種子とそれに影響を与える散布種子について調査を行った。調査の結果,ヒノキ林化した二次林の埋土種子集団には,アカマツと落葉広葉樹を主とする植生を形成する潜在性のあることが明らかとなり,鳥類による種子供給は,止まり木としての機能の高い樹木が存在しないところでは少ないと考えられた。現在のところ,埋土種子集団にヒノキが鬱閉する以前の植生を復元する潜在性はあるが,今後もヒノキの鬱閉した状態が継続し,ヒノキの下で止まり木となるような樹木が枯死するようなことになれば,鳥類による種子供給が減少することを通じて,埋土種子集団の組成が変化し,潜在性が低下する可能性のあることが示唆された。

Effects of sika deer grazing on seedling regeneration of the dwarf bamboo Sasa veitchii var. hirsuta after mass flowering and death
Yuhei Abe, Shozo Shibata
2012· Journal of the Japanese Society of Revegetation Technology2doi:10.7211/jjsrt.38.449

本研究では,近年,シカによる森林植生の採食が顕在化してきている京都市北部山間地域において,シカの採食がチュウゴクザサの実生更新に与える影響を明らかにするため,チュウゴクザサが2004 年に一斉開花・枯死した箇所に防鹿柵を設置し,2010 年まで, 防鹿柵内外のチュウゴクザサ実生の成長を調査した。調査の結果,柵外の実生の稈及びシュートの数は,2008~2009 年に増加し,柵内の実生より多くなったが,2010 年には減少し,柵内の実生と有意な差は確認されなかった。柵外の実生の稈の高さ,地下茎の長さ,乾燥重量は,2008 年以降,柵内の実生より小さくなった。2010 年における柵外の実生のそれらの値は,2009 年より減少する傾向が確認された。このことから,チュウゴクザサの実生は,シカの採食を受けると2 年程度の間は小型化・高密度化するが,3 年間以上シカの採食を受けると稈及びシュートの数,個体サイズが減少すること,シカの採食による影響は地下茎の伸長量の減少といった地下部の成長にも及ぶことが示唆された。今後もシカの採食が続けば,京都市におけるチュウゴクザサ実生は衰退する可能性が示唆された。