Kyoto Institute of Economic Research, Kyoto University
UniversityKyoto, Kyoto, Japan
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Top-cited papers from Kyoto Institute of Economic Research, Kyoto University
The recent studies on international trade are developing in two aspects. One is the introduction of firm heterogeneity to the analysis of international trade, and another is the introduction of offshore sourcing to the analysis of international transaction and firm’s organization. This paper aims to present author’s recent empirical studies of the internationalization of heterogeneous firms by following up the current theoretical studies. Results of the empirical examination of Japanese firms confirm that only a few firms of high productivity are internationalized and conduct offshore sourcing. With some exceptions, the results of author’s empirical investigation support the theoretical propositions that the pattern of internationalized firms on exporting, FDI and offshore sourcing is sorted by the order of productivity level.
本稿では, 食料品製造業のもつ雇用の地域性や安定性について, 市区町村レベルでみた農村的地域から都市的地域にかけての特徴を他産業との比較から検証する. 分析の結果, 雇用の地域性については, 食料品製造業の従業者割合が農村的地域ほど高くなる傾向にあり, また全産業と比較して食料品製造業では農村的地域に従業者が多く分布していることが確認された. 雇用の安定性については, リーマンショック前後において, 食料品製造業の従業者割合が約6割の地域で増加しており, また農村的地域ほどその傾向が高くなることが確認された. 食料品製造業の雇用は, 他産業と比較して, 地域性や安定性がともに高いという特性をもつといえる.
本稿の目的は、高速道路の整備効果及びネットワーク化の効果を事業所レベルのデータを用いて明らかにすることにある。そのため、経済産業省『工業統計調査』の個票データを用いたパネルデータを作成し、2012年に新東名高速道路が開通した静岡県を中心とした3県を対象として分析を行った。具体的には、横浜港、名古屋港までの移動時間や立地する市区町村における高速道路のインターチェンジの有無を考慮した事業所の生産活動と輸出動向の分析により、高速道路整備が新東名高速道路や既存の東名高速道路沿線の企業活動にどのような影響を与えたかを検証した。分析の結果、静岡県においては既存高速道路沿線での生産性の向上が見られ、また、新東名高速道路沿線の事業所では輸出を行う事業所が増加したことが明らかとなった。以上の結果は、高速道路のダブルネットワーク化は、交通コストの低下や市場とのアクセス性の向上を通じて、新設高速道路周辺の企業のみならず既存の高速道路周辺の企業の活動にもプラスの影響を与えることを示している。
本稿では、1989年から2019年までの全国家計構造調査(旧全国消費実態調査)の個票データより23歳から59歳の課税前所得のデータを使用し、政府が対応する様々な属性間格差について、属性別所得分布のパーセンタイルごとの差異に着目した可視化と、属性間格差と属性内格差の寄与度分解を行う。分析の結果、都道府県間や産業間の格差の寄与率は数%程度である一方、非正規雇用者の所得分布が低所得層に大きく偏っており、就業形態間の格差が25%程度と大きな説明力を持つことを示す。更に、就業形態間の格差は40歳以上59歳以下で大きい傾向にあるが、39歳以下の世代でも就業形態間格差の寄与率は他の属性別の寄与率に比べて高水準であることが確認された。
本稿の目的は, ふるさと納税のモチベーションを明らかにすることにある。総務省によればふるさと納税は寄附の一形態である。しかし, 利用者の属性や動機についてはこれまで十分な研究が行われてこなかった。本稿では, 寄附の主要因である信頼や互酬性といったソーシャル・キャピタルに着目し, 慈善団体等への寄附を行った人とふるさと納税を行った人の属性等を順序プロビットモデルを用いて分析することで, ふるさと納税のモチベーションを考察した。結果, 互酬性の意識はふるさと納税の利用にも有意な影響を与えていることが明らかとなった。ただし, 世帯所得や世帯金融資産, 職業形態といった要因の影響は寄附に対する影響とは異なっており, 十分な控除を受けることができるかといった経済的なインセンティブが影響している可能性もある。今後, 利用者のモチベーションも考慮しながらふるさと納税のあり方や活用方策を考えていくことが必要である。
容器包装リサイクル法の下で,市町村が,分別収集した使用済み容器包装を指定法人に引き渡さずに,独自処理を行う事例が近年増加している。本研究では,使用済みペットボトルの独自処理の価格および諸条件を把握・分析するために,全国の市町村を対象にアンケート調査を行った。独自処理の引渡価格は,全体の傾向として,法律施行直後3年間は有償で取引され,次第に価格が下落し逆有償となった後,2005年度以降再び有償で取引される推移が見られる。独自処理の諸条件について,価格面の理由から独自処理を選択する市町村の引渡価格が高い一方で,地元業者の育成・支援を重視する市町村の引渡価格は相対的に低い。後者の市町村や指定法人に引き渡すために必要な施設を有していない市町村では,たとえ指定法人に引き渡した場合に得られる金額が独自処理の場合を上回ったとしても,独自処理を継続する可能性がある。
Recycling of plastics has been attracting much attention in Japan and also in foreign countries. Recycling system is not easily introduced mainly due to its expensive cost. Economic evaluation of recycling, however, has not been fully investigated in Japan. In this study, fractionation, collection and processing of plastic waste in the residential and commercial sectors are taken into account. Especially the plasticswaste collection has been modeled quantitatively by using the regional mesh statistics and the reports on office survey provided by the Japanese government. Various kinds of plastics-recycling processes are evaluated from the viewpoint of both of life-cycle energy and economics. The evaluation results can be summarized as follows:The PET reclamation has good performance of energy saving. However, it takes a lot of cost for collection, and this technology is not economically acceptable even if the recycled resin has the same value as the virgin one. Some simulations show that cost reduction is possible by decreasing the labor hour for plastics collection. Furthermore, some measures for voluntary collection of PET containers are most effective if the government thinks the plastics recycling is preferable from the viewpoint of the local and global environment.
医療・介護費は, 今後更なる増加が見込まれる中, 現在の予測手法を用いて, これまでどの程度見通すことができたのかについては, 明らかではない。そこで本稿では, 医療・介護費の将来予測を過去の時点から仮定的に行い, 実績との誤差や, 過去からの増加の要因について定量的に分析する。予測にあたっては, (受給者)人口に一人当たり費用を乗じた予測手法を用いることで, 医療・介護費の予測誤差を「(受給者)人口要因」と「一人当たり費用要因」に分解する。なお, 一人当たり費用については, 医療費は一人当たり名目GDP, 介護費は一人当たり名目賃金の伸び率に合わせて延伸する。分析の結果, 人口構造の変化による費用の増加については, 医療・介護費全体の増加に占める割合は大きいものの, 大半が予測可能であり, 予測誤差は大きくないことが示された。他方, 一人当たり費用については, 経済指標に合わせて延伸した予測と実績では乖離がみられ, 上振れの誤差が生じる要因となった。分析期間中の医療費や介護費の増加のうち, この一人当たり費用による誤差が占める割合は, 医療費で26%, 介護費で28%に相当する。
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[目的] 我が国の死亡前費用に関する先行研究は死亡前1年間に限定した分析が多い。本研究は,死亡前4年間 (48か月) の医療費及び介護費を分析し,その推移を年齢階級別に明らかにする。[方法] 某県の国民健康保険 (75歳未満) 及び後期高齢者医療制度 (75歳以上) の医療・介護レセプト (2013~2023年度) を用いた。2016~2023年度死亡者のうち,死亡前48か月の資格継続が確認でき,期間中に3か月以上の資格喪失がない者を対象とした (n=89,773)。死亡月を基準に12か月×4区分 (0~11,12~23,24~35,36~47か月)で1人当たり医療費と介護費を集計し,死亡時年齢5歳階級で比較した。あわせて、厚生労働省「医療費の地域差分析」に基づく某県の年齢階級別平均医療費を用い、死亡前医療費との倍率を算出した。[結果] 医療費は死亡時期に近づくほど高く,特に死亡前1年間 (死亡前0~11か月) で大きく増加していた。平均医療費に対する死亡前医療費の倍率も死亡時期に近づくほど上昇し,年齢が若いほど高かった。また、平均医療費を上回る状態は死亡前1年間に限られず,死亡前複数年の間でも観察された。介護費も死亡時期が近づくほど高かったが,医療費のように死亡前1年間への費用の強い集中はみられず,高齢ほど費用水準が上昇し,死亡前複数年にわたり高水準が持続していた。医療・介護総費用は,死亡前1年間 (死亡前0~11か月) では高齢ほど緩やかに低下した一方,死亡前1年超 (死亡前12~47か月) では高齢ほど増加する傾向が確認された。[結論] 死亡前費用は死亡前1年間に集中するとは限らず,医療費は死亡前複数年から平均医療費を上回り得ること,介護費は年齢とともに増加し高水準が複数年持続することが示された。また、医療・介護総費用でみると、観測期間を死亡前複数年へ拡張すると年齢勾配が異なり,年齢が重要な要因となり得ることが示された。これらは、死亡前1年間では死亡前費用の傾向を十分に捉えられていないことを示唆しており、死亡前費用の分析には、死亡前1年間に限定せず、死亡前複数年にわたる医療・介護費用を評価することが必要である。
本稿では, 転職によって非正規雇用から正規雇用への移行が行われるうえで, 雇用保険の加入状況や前職の就業形態や業種といった様々な労働者の属性がどのような影響をもたらしているのか, 『全国就業実態パネル調査』の個票データを用いて2項ロジットモデルによる検証を行った。さらに, 正規雇用に移行した労働者にサンプルを限定し, 仕事の満足度を従属変数とした順序ロジットモデルによる検証も行った。主な結果としては, 雇用保険に未加入あるいは受給経験がない非正規雇用のほうが, 加入あるいは受給経験のある非正規雇用よりも正規雇用への移行の確率が低くなっていること, 医療・社会保険・社会保障関連の業種において正規雇用への移行が起こりやすく, 特に女性においては, 正規移行後の仕事の満足度も高い傾向にある点が挙げられる。