日本周辺の 5 海域間でカタクチイワシの繁殖特性比較を行った。親潮域では 6, 7 月に限って体長 120 mm で体重 20 g を超える大型の雌が GSI>7.0 で約 18000 の成熟卵母細胞を持っていた。黒潮域ではほぼ周年にわたり成熟卵母細胞を持つ雌が出現した。春季には卵母細胞数が 4500 以上(体長>120 mm,GSI>5.0)であったのに対して秋季には 50 へと減少し,体長<60 mm の小型魚が産卵群の主体であった。このような海域差は本種の調節的な繁殖生態を表すと考えられた。