西日本最大級の自然林の一つである大台ケ原では,現在,高密度に生息するニホンジカの食害による森林衰退が報告されている。その自然再生の方向性を探るために,大台ケ原の主たる林相の一つであるブナ―ウラジロモミ―ミヤコザサ群落において,ニホンジカとネズミ類の有無を組み合わせた野外操作実験を3 年10 ヶ月間行い,両者がミヤコザサの地上部と地下部に与える影響を調査した。ニホンジカによる採食を受け続けたミヤコザサは地上部が矮小化し,現存量も小さかった反面,地下部現存量は大きく,地下茎は細長かった。結果として,ニホンジカによる採食を受けたミヤコザサは相対的に地下部への投資を増大し,地下部で広がることによりニホ...